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企画展「円山応挙から近代京都画壇へ」にて、VRコンテンツを制作しプロジェクション投影で空間再現

2019年8月3日から12月15日まで、東京藝術大学および京都国立近代美術館にて開催された企画展「円山応挙から近代京都画壇へ」。

この展覧会の見どころは、重要文化財となっている円山応挙の著名な襖絵で、所蔵元である大乗寺(通称:応挙寺)の「孔雀の間」「芭蕉の間」での襖絵の配置を、そのまま再現した展示です。

この2つの「間」の再現展示は、まず東京藝術大学の会場では「孔雀の間」の右半分が、京都国立近代美術館では「孔雀の間」の左半分及びその襖の裏面となる「芭蕉の間」の襖絵が再現展示されており、襖絵の全貌を一度に見ることができませんでした。

そこで、大乗寺の「孔雀の間」「芭蕉の間」において、円山応挙による襖絵に囲まれた客室を、当社で高精細360度パノラマ撮影し、部屋に見立てたブース内の壁面にプロジェクション投影することで、遠隔で現地の様子が体験できる空間再現を実施しました。

円山応挙展VR

「孔雀の間」を360度高精細撮影

「芭蕉の間」の360度高精細撮影

展覧会の会場内で、映像がゆっくりと水平回転する360度映像を投影

大乗寺からドローンで上昇し、香住の海までが見渡せる空撮映像も投影

さらに、円山応挙による襖絵の鑑賞体験をより豊かにし、理解を深めることを目的として、襖絵の所蔵先である亀居山大乗寺の様子が分かるよう、展覧会来場者が自身のスマートフォンのブラウザから体験可能な360度パノラマVRツアーのコンテンツ画像が閲覧できるWebサイトを4か国語表記で用意。

スマートフォンを向けた方向に応じて、バーチャル空間上の部屋の様子が見られるVRコンテンツとなっていて、360度VRにすることで、現地には有名な襖絵だけでなく、対面に綺麗な庭があることや、香住ではオフシーズンとなる初夏の様子もバーチャルで見ることができます。

今回の施策により、VRやARを活用した文化財の体験は、今後、文化財をより深く理解したり、興味を喚起するための重要な手段となっていくことが感じられました。今後も、AR・VRを様々な場面で活用できるようご提案していきたいと思っています。

▶クライアント:文化庁
▶内容:「日本博を契機とする文化資源コンテンツ創成事業」
▶関連リンク:AR・VR 文化財・アート