根津美術館が所蔵する、飯塚桃葉が制作し、阿波徳島藩主・蜂須賀家に伝来した「百草蒔絵薬箪笥」が新たに国の重要文化財に指定されたことを記念した特別展。薬箪笥を主役として豪華な内容品をすべて展示すると共に、その最大の特徴である蓋裏の百草図をてがかりに、本作の制作背景を18世紀後半の博物学と美術の様相の中に探った展覧会です。

図録の表紙は白を基調として、百草蒔絵の文様を透明なエンボス加工によって浮き出たせる表現になっており、本文ページの絢爛豪華な金の蒔絵作品とは対象的ながら印象的です。また展覧会の肝となる、同時代に描かれた博物図譜の白眉である「衆芳画譜」と「百草蒔絵薬箪笥」の薬草図の対比を見せるページのデザインも秀逸です。

サイズ： B4変形／頁数：172ページ／製本：無線綴じ

◆会場　根津美術館

◆会期　2024年11月2日（土） – 2024年12月8日（日）