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AR・VR|コラム

22.04.01

「XR」とは?

AR・VR|コラム

22.04.01

「XR」とは?

近年、ARやVRといった言葉が注目を集めていますが、それとともに語られることの多い「XR」というワード。ではXRとは何を指すのでしょうか?その意味について解説していきます。

XRというワードの意味

XRは、「クロスリアリティ」または「エクステンデッド・リアリティ」の略語と言われていますが、XRの「X」の文字の部分に様々なアルファベットを代入した単語の総称としての意味合いもあります。具体的には、「AR」「VR」「MR」などがその例です。これらの単語には、全て末尾に「R」というアルファベットが付いています。この「R」は「Reality(リアリティ)」の頭文字であり、「現実感」といったことを意味する言葉です。つまり「XR」とは、「より現実的な感覚に近い表現をするための技術」の総称であると解釈すれば分かりやすいです。

「Reality(リアリティ)」とは?

AR・VRなどに共通する「Reality(リアリティ)」という言葉は、一般的には「現実」「現実感」「迫真性」などの意味を持つ言葉ですが、「XR」という文脈で使う時は、各技術によってその意味合いが少し変わってきます。
「VR(Virtual Reality)」での「Reality」は、現実世界とは別に、現実的な感覚に近い世界を1から再構築したものです。このため、VRの世界を体験する際は現実の感覚は遮断され、完全にデジタルの世界に包まれることとなります。
対して「AR(Augmented Reality)」での「Reality」は、目の前に見えている現実世界そのものです。現実世界を下敷きにしてその上にデジタル情報を追加することで、「現実」と「デジタル」の境目を最小限にします。視覚的なARの例で言うと、従来は「画面の中」と「画面の外」とで、デジタルと現実が明確に分かれていました。これに対してARは、例えばスマートフォンの画面の中に、カメラで映した目の前の現実風景の映像を表示し、その中にデジタル情報を溶け込ませることでリアルとデジタルの境目を無くしたり、あるいは、メガネや透明の窓越しに見える現実の風景とぴったりマッチする形でデジタル情報を表示することで現実の風景にデジタル情報を馴染ませて表示したりするなど、リアルとデジタルが融合した表現を目指すものです。
XRを「より現実的な感覚に近い表現をするための技術の総称」と表現しましたが、では具体的に現実的な感覚を表現している例としてはどのようなものがあるのでしょうか。
以下に、代表的な2つの例を挙げて説明します。

XRによってリアルさを表現する例①:「視点の移動」

代表的な例の1つ目としては、「視点の移動」が挙げられます。例えば部屋の内部を説明するのに、従来は2次元の写真で表現していたものを、現実世界と同じ「奥行き」といった軸を追加して、3次元空間として表現するような例です。3D化することで、部屋を様々な角度から眺めたり、見る人の立ち位置を移動したりするなど、現実に部屋を見るのと近い感覚を体験できます。

XRによってリアルさを表現する例②:「光の反射」

XRでリアルな感覚を体感させる表現のもう一つの代表例としては、「光の反射の変化」があります。静止画の場合、一度撮影した写真の光源や、対象物に反射する光の具合が変化することはありません。けれども、現実の視覚は、常に光の反射による対象物の見え方の変化を捉えていて、そのことによって見えているものがリアルであると感じています。この光の反射の表現によって、対象物の表面の質感(ツルツルしているか、ザラザラなのか)や、表面の微妙な凹凸感によって出来る細かい影の表現などが可能となり、対象物の見た目は一気に現実的でリアルな表現となります(このような表現を追求した3Dコンテンツは「フォトリアル3DCG」などと呼ばれています)。現在では既に、現実世界と同じ光の反射を計算してCG上で再現する技術が確立されているので、XR上の光源や物質の質感を上手く設定すれば、現実と同じような見た目を再現することが可能となっています。ただし、このような光の反射の表現は膨大な計算量を伴いますので、もしも光の反射の表現をリアルタイムで操作したいとなると、かなり高性能なPCが必要となり、Webを使う場合には大きな通信量が必要となります。このため、現在Web上などでリアルタイムに体験できるXRでは、光の反射におけるリアルさの表現は、やや控えめとなっています。
上記は視覚的なリアルさの表現の例でしたが、近年のXR体験は視覚だけに留まりません。例えば、ヘッドフォンを装着することで音の聞こえる方向を現実と同じように再現してリアルさを近づけるなどの体験があります。車が目の前を通過する映像に合わせて、走る車の方向から音が聞こえるようにするなどの表現がその一例です。
他にも、映像上のキャラクターが自分に触れてくるような場面に合わせて、実際に触れられたかのような触覚を再現する機器なども開発されています。 このようにXRは、五感を組み合わせて表現すると、より「現実的な感覚に近い表現」をもたらすこととなり、情報伝達の精度が上がっていきます。

XRは、五感の組み合せでよりリアルな表現に

上記は「視覚」的なリアルさの表現の例でしたが、近年のXR体験は視覚だけに留まりません。例えば、ヘッドフォンを装着することで音の聞こえる方向を現実と同じように再現してリアルさを近づけるなどの体験があります。車が目の前を通過する映像に合わせて、走る車の方向から音が聞こえるようにするなどの表現がその一例です。
他にも、映像上のキャラクターが自分に触れてくるような場面に合わせて、実際に触れられたかのような触覚を再現する機器なども開発されています。 このようにXRは、五感を組み合わせて表現すると、より「現実的な感覚に近い表現」をもたらすこととなり、情報伝達の精度が上がっていきます。

まとめ

この記事では、「XRとは何か?」について解説しました。XRは「より現実的な感覚に近い表現をするための技術」の総称と表現しましたが、技術が進化するにつれ、その「現実的な感覚」の度合いはますます高まってきます。デジタルデータの表現がリアルに近づけば近づくほど、リアルとデジタルの境目は少なくなってきます。このことは、特別に意識をすることなく簡単にリアルとデジタルの世界を行き来できるようになることを意味します。
例えば、VRの技術により、現実の街を歩くのと同じように、VR空間内に再現された世界を、自宅に居ながらにして自由に歩き回ることが出来ます。 あるいはARの技術によって、現実の街を歩きながら、そこで見かけるもの全てにデジタルの情報が重なって表示され、その場所で知りたい情報がすぐに得られるようなことも実現しつつあります。
いま私たちの日常生活や仕事では、デジタルデータを活用する場面がますます増えてきています。そのような時代の流れにあって、リアルとデジタルの境目を意識せず手軽に使える技術の需要は今後も高まってくるものと予想されます。
当社では、ARからVR、3DCGまで、XR全般に亘るソリューションや実績があります。このような技術にご興味のある方、取り組みをしてみたい方は、ぜひお気軽に当社までお問い合わせください。

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