日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社

デジタル印刷|コラム


22.04.01

デジタル印刷とSDGs

SDGsとは?

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略称で、「持続可能な開発目標」と訳されます。2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組む普遍的なものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。

印刷業界とSDGs

ここ数年、あらゆる産業の企業経営にSDGsが意識されるようになってきています。SDGsを単なるスローガンや社会貢献活動としてとらえるのではなく、SDGsを事業活動に直接的に取り込み、企業価値の向上につなげていくことが求められており、株主など企業を取り巻くステークホルダーの評価も念頭においた具体的な取り組みを推進することが重要な課題となっています。
印刷業界においても、SDGsが掲げる持続可能な開発目標に沿って、お客さまやサプライチェーンも含めた取り組みを推進していくことが求められています。印刷業界は森林資源から作られた「紙」と、石油資源から作られた「インキ」を材料として使い、「印刷・加工設備」とエネルギーを消費して事業活動を行っていますが、一方で早くからFSC認証(※)など環境に配慮した事業活動も行ってきました。今後、印刷業界としてSDGsへの取り組みはますます加速していくと考えられます。
※FSC認証とは、持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した、「適切な森林管理」を認証する国際的な制度です。認証を受けた森林からの生産品による製品にはFSCロゴマークがつけられます。

デジタル印刷とSDGs

 環境配慮という側面において、デジタル印刷の最大の特長は、小ロット対応が可能なことです。従来は大きなロットで印刷し、在庫を持ち、不要になったら廃棄するというのが印刷物製造の典型的なモデルでした。このモデルでは在庫の保管費用が発生することに加えて廃棄の際にも様々なムダが生じます。デジタル印刷を活用することで必要な時に必要な分だけを作るということが可能になります。
 例えば、出版社で、初版はオフセット印刷で一定の部数を製作し、デジタル印刷で少部数ずつの増刷を繰り返したり(図参照)、逆に初版をデジタル印刷で製作、売れ行きに合わせて増刷分をオフセット印刷で製作したり、デジタル印刷のまま少部数の増刷を繰り返す、といったことも考えられます。
このような取り組みは、単に廃棄のムダを減らすということにとどまらず、これまで大ロットの販売部数が見込めないために出版機会を逃していた書籍を販売することができるという点に価値があります。出版社にとっては収益機会の拡大になる一方、読者にとっても新しい本との出会いが増えることにつながります。デジタル印刷を活用することで、冒頭に述べた「SDGsを事業活動に直接的に取り込み、企業価値の向上につなげていく」ことができるようになるのです。
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